緋色


緋色。黄色みのある鮮やかなで、平安時代から用いられた伝統色。
釉薬をかけずに器を焼くと、緋色が出てくる。

土が火に焼ける色だ。
備前や信楽のように釉薬を使わない焼き締めによって、焼かれる器に出てくるあの火の色だ。

赤い橙色のようなこの緋色の風合いが良い。
青系の色味の釉薬と組み合わせることで、良い色合いの器ができる気がする。
いつかもう一度チャレンジしたい取り合わせだ。

釉薬をかけない部分は、撥水剤を塗る。
そうすることで、釉薬がはじかれて、粘土がそのまま焼かれる。
ただし、釉薬をかけないと、強度が下がり、水漏れも起こしやすいのだという。

備前や信楽のように、釉薬を使わない器は高温で長時間の焼成を経る。
だから、釉薬を使わなくても丈夫なものができる。

この釉薬、日本でその製法が発明されたのが5世紀ぐらいの瀬戸だったか。
赤松の灰を使って、釉薬が作られたのが始まりだったと思う。
今も灰釉は残っているが、昔のように赤松の灰を使うのではなく、化学的に作られたものがほとんどだと、瀬戸の本業窯で聞いたことがある。

釉薬の世界もまた奥が深い。

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