器の旅 〜有田〜



日本の磁器の発祥の地、有田。
街並みが昭和初期から時間が止まっているかのようで、レトロな風情に和む。
街中には古くからの器を扱う商店が並ぶ。


陶石と呼ばれる磁器の原料が採掘されたことによって、有田は江戸時代に栄える。
幕府からは御用窯として、手厚く産業が保護された。



美術館、ギャラリーを自転車でいそいそと回る。



時期には陶器と違った良さがある。陶器と違って、白地がベースのため、絵柄やデザイン、色の発色、質感といった部分に特徴があっておもしろい。



柿右衛門から今右衛門などの古典から、若手の作家さんの作品などを見て、一番感銘を受けたのが深川製磁。モダンなデザイン性が群を抜いている。

深川製磁だったら、全国の百貨店でも東京のショップでも買えるんだけどなぁと思いつつ、おちょこを1つ購入。本社の建物は昭和初期に建設されたもので、重要文化財に指定されている。

この深川製磁、実はかつて上場をしていたため、財務諸表が今でも公開されている。
気になったので調べてみると、なんと債務超過。。。
しかも売上も思ったよりも随分小さい。

宮内庁御用達という伝統、かつて一世を風靡したデザイン。
良いものを作る一方で、経営状態はひどい。
時代の中で手工業というものがいかに取り残されていったのか。
その現実を知ることとなった。

いろんな意味で時間が止まっている街だった。

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