器の旅 〜萩〜

 


山口県萩市。山口の中で日本海側に面した街で、関ヶ原の戦いで西軍についていた毛利輝元が改易によって、より不便な土地へと移らされたことで、城下町としての歴史が始まった。

そして、萩焼の歴史は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に毛利輝元が朝鮮から陶工を連れてきたことにさかのぼる。


萩焼は、大道土と呼ばれる山口県の南部で採れる白色の粘土を主原料として、そこに見島土、金峰土という鉄分を含んだ粘土をブレンドすることで作られる。現在も登り窯で焼成される、伝統的な産地だ。


窯元は萩市内に点在している。中でも東萩駅のエリアには主要な窯元が多い。



東萩駅で自転車を借りる。松陰神社からすぐの場所にある13代続く窯元、不走庵 三輪窯を訪れた。見学には金土日の間で事前に予約が必要だ。
時間に着くと、玄関の木戸から呼び止められて、中に入る。茶室を改装して作ったというギャラリーに13代目三輪休雪の作品が並んでいる。



まず最初に気になるのがお値段・・・。
132万円の値札。どうやら想像していたよりも、一桁多い価格帯。
「どうぞ、お手にとってください」と言われて、おそるおそる器を手に取る。

作風はもはや伝統的な萩焼ではない。
三輪窯の教えでは、代々常に新しいことをすることのみが伝えられているという。
常に新しい作風をつくり上げることが、代々求められる。
伝統とは同じことを続けることではないということか。




粘土のブロックを薪で叩く。そして、錆びた日本刀で削る。
そして、外側の形に応じて、中身をくり抜く。
粘土に鉄分を含んだ見島土を塗り、白化粧をかけてから焼く。
原材料は確かに萩の土だが、もはやこれは現代アートだ。




さすがに高すぎて、作品を買えなかった・・・。
うーむ。。。

三輪窯から自転車で海へ。



この日は雨が降ったり止んだりで、途中で雨宿りをしたりしながら、次の窯を目指す。
岡田窯。
まさかのお休み・・・
はるばるやってきたのに。。。
雨も降っているし、そもそも来る人もほとんどいないのだろう。とにかくやる気がない。
これが地方の窯元の現実。







雨の中、泉流山窯へ。
ここは萩焼の大家、吉賀大眉の窯だ。
窯元には吉賀大眉の作品を見ることができる。









とにかく一見の価値がある。
萩焼のイメージを一新する作品だった。








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