器の旅 〜京都・清水団地〜

 


京都の山科に近い清水団地。
かつて清水五条あたりで京焼が始まり、やがて泉涌寺周辺へ。そして、泉涌寺から山を越えて清水団地へと生産地は移転した。


清水団地に着いて、清水焼の郷会館へ。
思っていた以上にこじんまりとしている。中には清水焼の窯元の作品が小さなスペースに展示されている。

他に観光客らしき人はゼロ。
会館の人が声をかけてくれた。
清水団地の周辺で残る窯元は3軒らしい。高齢化で廃業が進み、コロナでさらに状況は悪化。
作家が構えている工房はいくつかあるらしいが、いわゆる弟子を取って窯元としてやっていけるような状況にはないらしい。若い人が学校を卒業してやってきても食べていくために受け入れる素地がないと嘆いていた。

会館の隣にある雲楽窯では、95歳になるという当主の方が焼き物の説明をしてくれた。
95歳になるというのに、周囲からやめないでと言われて、まだ現役で器を作っているそうだ。
しかし、かつては弟子が50人いたというが、現在は弟子はいないらしい。
「仕事はなんぼでもあるねんけど、若い子らは働かんから、もう雇わん」と言っていた・・・

こうして伝統産業は滅びていくのか。。。





清水団地のエリアには、いくつかのショップは今も点在している。
粘土のお店、指物のお店、木箱のお店。
京都という土地柄、茶道などの需要があることで、今も清水焼としての産業は成り立っているようだ。

ただ、今は窯元も廃業化が進み、継ぐものも少ない。
この先、清水焼はどうなってしまうのか。
清水焼に限らず、他の陶芸産地も大体さびれているが、特に清水焼の衰退は目に余るものがあった。なんとかならないものだろうか。


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